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全世界中でエンジニアが不足している。

ほぼ周知の事実と言って良いであろうこの事象に対して、ベトナムは国家として大きな戦略を立てている。 国家戦略として2020年までに100万人(年間7-8万人増)にまで増やし、GDPの8~10%を担うまでに成長させようとしているのだ。

実際に、大学の数は増え、 エンジニアを育成するスクールも増えつつある。 すでに世界中の開発案件が、ここベトナムに集まってくる。 IT業界に身をおかずとも、1度はオフショアという言葉を聞いたことがある人も多いのではないだろうか。 ベトナムは世界有数のオフショア、つまりシステム開発の発注先なのだ。

しかし、その評判は賛否両論と言わざるを得ない。 オフショア進出の増加と同じほど、撤退も増えているからだ。 撤退の理由には様々ある。 日本側の案件依頼の仕方、ベトナム側の開発の質、双方間のコミュニケーションのズレ。課題を挙げ出したら枚挙にいとまがない。

それができないのならば、日本人を雇い続けるしかない

課題は山積みだ。上手くいかないことも多いかもしれない。それでも、やるしかないのだ。なぜなら、いくら日本で人材会社に大金を払っても、Wantedlyで友人に拡散をお願いしても、理想の人材はあなたの会社の門を叩くことはないからだ。

それができないのならば、日本人を雇い続けるしかない。 ある意味それも短期的には合理的ではあるが、上記の課題を解決し得る組織こそ、最大の競争優位性になり得るのではないだろうか。

さて、今回はオフショア開発における問題点を挙げたいわけではない。
それらの課題を理解した上で、ベトナム人エンジニアの採用に取り組むという意向を持つ経営者や採用担当者のために、ベトナム人エンジニアを採用するにあたり知っておくべき点をご紹介したい。

ベトナム人エンジニアの特性とは

一般的にはベトナム人は職人気質で器用と言われることも多い。 実際に、穏やかな性格や指示に対して忠実な姿勢などは日本人との相性も良い。教育熱心でもあり、社会人エンジニアの3-4割はお金を出して外部のエンジニアスクールに通うくらいだ。

日本の場合、社会人で通う人は少なく、通ったからといって採用側の評価が上がる訳ではないだろう。なぜなら、できる人間は自分で勝手にやるのだ。よっぽど人手が足りないかそこまで技術を求めない企業以外は、自分で出来る人間にしか興味がない。非常にシンプルな話しだ。

しかし、ここベトナムにおいては学習に対する考え方も学習環境も異なるため、スクールに通うことは概ねポジティブに捉えて問題ないだろう。

給与はどのくらい?

ITエンジニアの場合はブリッジSEからメンバーレベルまでに大きな差がある。ブリッジSEやリーダーレベルになるとITエンジニアが多いベトナムとはいえ通常の求人媒体ではなかなか採用が難しい。それはベトナム人の平均年齢の低さやIT業界の未成熟さにも起因する。

日本のソフトウェア産業も、今でこそある程度の成功フォーマットが形成されつつあるかもしれないが、それは90年代以降のソフトウェア産業が成功と失敗を繰り返しながら培ってきたからだ。

■ブリッジSE/経験5-8年/
給与額:月給1,200USD~
■チームリーダー/経験3-5年/
給与額:月給800USD~
■チームメンバー/経験2-3年/
給与額:月給450USD~

 

注意すべき点は?

よく言われるのは、品質に関する意識の低さだ。これにより、システム開発では様々な問題が発生していく。例えば、プロジェクトの全体像の把握や仕様に対する理解不足、テスト不足などが挙げられる。

この問題に遭遇する、多くの日本人は「ベトナム人エンジニアのレベルは低いんだ」と判断してしまうが、その判断の前に考えるべき点がある。私たちが常識だと考えていることが、海外では常識ではないという可能性だ。

ここで述べたいのは、どちらが正しいのかということではなく、違いが存在し、それに対してどう対処するかということだ。

例えば、日本人同士で仕事をする場合、日本独特の空気を読む感覚や曖昧なコミュニケーション。私たち日本人はこれが仕事を円滑に進めるためには悪くない選択だと思っているが、海外から見たら違う反応になるだろう。

つまり、どちらかのやり方を押し付けるのではなく、歩み寄りながらお互いの課題に対処していく姿勢が必要なのだ。

品質に対する意識であれば、教育と仕組みで十分にフォローできるはずだ。そして、本来そうあるべきだ。常識が異なる環境下では、違いが混ざり合うことにより、”本来あるべき姿”が浮き彫りになるという良い点もあるのだ。

最後に

ベトナム人エンジニアを採用する前に検討すべきことについて客観的にお伝えしてきたが、いかがだったでしょうか。

今回は具体的な方法論については割愛しましたが、本記事でお伝えした内容を踏まえて、どのような手段を取るべきかについて随時相談を受け付けております。当社自体もラボを運営し、常時20-30名の開発者と仕事をしているため、実践的な観点からもアドバイスが可能です。

お気軽にお問い合わせくださいませ。

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