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ベトナムで事業を運営すると必ずと言って良いほど直面するのがマネージャー問題です。

プレイヤーレベルは採用できても、マネージャーレベルが採用出来ずに組織を拡大出来ないといった悩みです。

ぴったりの人材が存在し、自社に魅力を感じて入社し、長く働いてくれれば理想ですがなかなかそうもいかないのが現実です。

そこで今回は、マネージャーが育たない問題について考えていきたいと思います。

マネージャーが育たない問題の80%は仕組みで解決

結論から申し上げると、マネージャーが育たない問題の80%は仕組みで解決でき、残り20%のみが能力の問題だと考えています。

つまり、マネージャーが育つための土壌(仕組み)がないためにマネージャーが育たないという問題は発生している。

この考え方を起点に進めた方が、ここベトナムで事業を運営するには健全なのではないでしょうか。

マネージャーに求める要素

まずはマネージャーに求める要素、求めない要素を整理しましょう。

マネージャーに求める要素
・プレイヤーとして高い経験/技術/知識を持ち合わせている
 -この点はある程度母数はいることが多い
・マネージャーとして他のメンバーの成果を高められる
 -ここがネックになるケースが多い

マネージャーに求めない要素
・会社の事業方針、戦略の策定
 -これら上流工程は日本側または現地社長が策定する場合が多い
 -または事業特性上その必要性が低い

つまり、「マネージャーとして他のメンバーの成果を高められる」がマネージャー採用問題のボトルネックになっているということです。

しかし、本当にボトルネックになるほど困難な問題なのでしょうか?

要素分解をすることで問題をもう少し整理していきます。

成果を高めるための要素を分解

マネージャーとして他のメンバーの成果を高められるためには、主に3つの要素が必要となります。

A)プレイヤーとして高い経験/技術/知識を持ち合わせている
B)各業務へのフィードバックが出来る
C)各メンバーのモチベーション管理が出来る

もう少し詳しくみていくと、

A)プレイヤーとして高い経験/技術/知識を持ち合わせている
B)各業務へのフィードバックが出来る
 -目標設定
 -行動設定/管理
 -評価指標確立/実施
 -改善策の提示/実行支援
C)各メンバーのモチベーション管理
 -関係性の向上(仲が良い、切磋琢磨、障害となる壁が無い等)
 -成果の向上(個人として結果が出せる)
 -成長の実感(キャリアプラン/現在地/フィードバック)

「仕組みの問題」と「能力の問題」に仕分け

この3つの要素を、 「仕組みの問題」と「能力の問題」に分けてみましょう。

Aに関して
・プレイヤーとして現在のメンバーと比べ高い経験/技術/知識を持ち合わせている
・日本側の基準としてまだ未熟でも、社内で引き上げられれば良い
→能力の問題
→不十分な点は引き上げ可能かを判断(仕組みの問題)

Bに関して
・多くの組織の場合、社内でこのサイクルが確立していない(何となく上司の頭の中にあるだけの状態)
・故に新人マネージャーも期待されている役割を遂行出来ない
・このサイクルを自分で構築出来ればベストだが、受け入れ側で構築した方が早い
・1度構築出来てしまえば、極論誰でもサイクルを回せる
・各メンバーの能力開発も必要スキルを一覧化し、伸ばすためのトレーニングを設定するのみ
→このプロセスの80%は仕組みで解決出来る問題(受け入れ側が構築出来る)

Cに関して
・関係性の向上は経営サイドが仕組みとして提供(飲み会等)
・成果の向上は上記サイクルが回れば達成可能
・成長の実感は多少難しいため、マネージャーとしての能力の問題となる
→80%は仕組みの問題、20%は能力の問題

まとめ

少しは問題がクリアになってきたでしょうか?

コントロールがしやすい仕組みの問題で80%を解決すれば、残り20%は大きな問題では無い場合が多いです。またはその20%も、育成可能な要素であることも多々です。

こう考えると、採用のテーブルに乗ってくる候補者も広がり、互いの期待値のズレも解消できるかと思います。

ぜひ自社のマネージャー採用を整理していただき、良い採用活動を実現していただければ幸いです。

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